片山右京さんの登山事故について:topologyplan143

富士登山

昨日の 片山右京さん含め3名の富士登山での事故だが、これから経緯についてはさらに詳細が分かってくると思うが、彼(右京さん)の判断は間違っていなかったと個人的には思う。

 

私も大学生時代は山岳部に所属し、まさに12月の富士は経験したことがある。

冬の富士は、5合目以降が、まさに氷の世界となり、アイゼン(鉄製のとげとげがついていて靴につけるやつ)すら食い込まないほどに硬くしまったブルーアイスが山一面を覆ってしまう。

しかも、富士山の周りには、山が無いため、西からの冷たい風が直接富士にぶつかり、風もかなり強まる。

 

今回の事故についても、寝ている間にテントごと吹き飛ばされたようで、これはテントを張る場所が悪かったか、または、それほどに寒波が強く突風が吹荒れていたか、の2つだと思う。

山の気温が-25℃で、しかも風が吹いているとなると体感温度はおそらく-30℃ぐらいになるだろうと思う。

 

実は、かつて我々芸大山岳部も富士山で滑落事故を起こしたことがあり、同期の一人が滑落、そして当時のリーダーも助けようとして滑落、約500m を滑り落ちた(標高さ400m)。

その事故当時、私は帰省していて実家に居たのだが、その事故はニュース速報でも流れ、一時、大学同期ともに、騒然とした。

 

運よく、(これはほんとに運よく)滑落した二人は足の複雑骨折と打撲で命は落とさなかったものの、その年には富士山の同じような場所で何名かの方は亡くなっている。

 

夏・秋の富士山は家族連れでも登れるいい山なのだが、その気持ちで富士を連想するのは間違いで、冬の富士は実はかなり登頂が難しい山なのである。

 

片山さんも、天候不良を感じて、夜が明けたら下山の予定だったらしいが、、、、テントごと飛ばされてしまっては、対応のしようが無かったのだろうと思う。

 

亡くなってしまった2名の方にはお悔やみ申し上げるが、片山右京さんが無事で下山されたことは良かったと思う。(冷静な判断と、アスリートの体力はさすがだと感じた)

 

事故に関しての詳しい記事はコチラ↓

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デイリースポーツ

 

元F1レーサーの片山右京さん(46)が18日未明、富士山の登山中に遭難、同正午過ぎに標高2200メートル付近で保護された。片山さんは、経営する会社社員の宇佐美栄一さん(43)=東京都八王子市=と堀川俊男さん(34)=横浜市港北区=と3人で入山。残る2人の行方は分からず、午後5時20分すぎに会見した片山さんは、仲間の無事を祈った。静岡気象台によると18日未明の富士山頂は氷点下25度を下回っていた。静岡県警は19日早朝から捜索を再開する。

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 片山さんの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。「この度は、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした。今はとにかく2人の安否が心配です」。夕方に行われた静岡県御殿場署前での5分間の会見。憔悴(しょうすい)しきった表情が、遭難の壮絶さを物語っていた。

 片山さんは25日から、来年1月16日か17日までの予定で、南極のビンソン・マシフ(標高4897メートル)への登山を計画していた。初期順応のため、1泊2日の日程で富士登山を企画。宇佐美さんが堀川さんとともに同行を求め、片山さんが同意した。

 静岡県警などによると、片山さんは17日午前、神奈川県相模原市の自宅を出発し、3人で静岡県小山町の御殿場口から入山した。2人と登山に関しての能力差があったため、片山さんが先行した。山頂を目指したが、8合目付近で頂上の天候が悪いことを知り、登頂を断念。6合目から7合目地点に引き返した。

 片山さんは1人用のテント、宇佐美さんと堀川さんは2~3人用のテントに宿泊した。午後5時ごろに就寝し、片山さんはコンビニで買ったカフェオレやパイ菓子を食べて過ごしていた。家族には午後8時ごろ「山頂には行かず、明るくなったら下山する」と連絡していた。

 午後11時40分、突風により片山さんのテントが真横に倒された。外に出たところ、隣にあるはずの2人用のテントがなかった。18日午前0時50分ごろ「一緒にいた2人のテントが飛ばされた」と、経営する関係者を通じて御殿場署に通報。約200メートル下に滑落し、破れたテントと宇佐美さん、堀川さんを確認した。

 当初、宇佐美さんは「寒いだけで大丈夫。堀川がおかしい」と話していたが、その後に泣き出した。堀川さんは奇声を上げるなどパニック状態だったという。片山さんは夜通し2人のそばにいて、「大丈夫か?」と声をかけたり、自分の体で2人を温めていた。

 午前7時半ごろ、電池が切れていた携帯電話の電力が復旧したものの、朝までに2人は動かなくなった。同11時ごろ、待っていても救助はこないと判断して、下山を開始。寝袋や毛布で2人をくるんで、その場から離れた。静岡地方気象台によると、18日未明の富士山頂は、寒波のため氷点下25度を下回っていた。

 片山さんは午後0時20分ごろ、標高2200メートル付近で県警の山岳救助隊に発見、保護された。その際、救助隊員に「2人は亡くなったようだ」と話しており、事情聴取では「脈を取って亡くなったことを確認した」と説明している。御殿場署によると、片山さんは2人の家族と署内で対面し、謝罪したという。

 会見の最後、片山さんは「2人の無事を祈るだけ。信じています」と声を絞り出し、車で病院へと向かった。